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【菅内閣発足】稚拙な与党、動けぬ野党 国会会期延長めぐりにらみ合い(産経新聞)

 8日に誕生した菅直人新政権の喫緊の課題は、16日で会期末を迎える今国会を延長するかどうかだが、「対話」を強調する民主党新執行部は方針を決定できず、政権運営の稚拙さを早くも露呈してしまった。一方、野党は参院選を前に新政権に少しでもダメージを与えたいが、決定打はなく攻めあぐねている。(今堀守通)

 「党内事情で国会に空白を生じさせたことにおわびしたい。これからはきちんと議論を重ねていく国会にしていくのでご協力いただきたい」

 民主党の樽床(たるとこ)伸二国対委員長は8日午後の与野党国対委員長会談で、野党の要求を無視し、強行採決を連発したこれまでの強権的な国会運営をわび、対話を重視する姿勢を打ち出した。

 だが、野党側が「政治とカネ」問題をめぐり、衆院予算委での小沢一郎前民主党幹事長らの証人喚問などを要求すると、樽床氏は「9日にできるところまで返事をさせてもらいたい」と返答。山岡賢次前国対委員長との違いを鮮明にし、「脱小沢」をアピールしたかったようだが、さすがに野党の要求の丸のみはできなかった。

 しかも樽床氏は首相の「晴れ舞台」である所信表明の期日さえ、野党に明示できなかった。会期延長をめぐり、民主党内では、国民新党との「信義」を重視し、延長して郵政改革法案を成立させるべきだとする意見と、支持率が高いうちに一気に参院選を行うべきだとの意見が交錯する。首相も方針を決めあぐねているのが実情なのだ。

 一方、野党は、会期延長せず、6月24日公示、7月11日投開票の日程で参院選に踏み切られると手痛い。2週間ほど延長し、郵政改革法案を強行採決してもらった方が与党の横暴をアピールできるからだ。

 このため、与党が延長に消極的で、野党が延長を求める「あべこべ現象」が起きてしまった。

 自民党は8日、川崎二郎国対委員長の下に首相の過去の言動調査や疑惑追及に向けたプロジェクトチームを発足させた。川崎氏は記者会見で「『逃げるな、菅!』をこれからの自民党国対のキャッチフレーズにしたい」と息巻いた。

 だが、「疑惑」といえるほどの材料は集まらず、初会合はほとんど雑談に終始したという。国会日程が決まらない上、首相の攻撃材料も乏しい。党内のイライラは募っており、このままでは民主党の政局が飛び火しかねない。

                   ◇

 ■菅内閣の基本方針

 菅内閣は8日夜の初閣議で、閣僚ら政務三役の職務について基本方針を決定した。要旨は次の通り。

 一、政権への期待が揺らいでいることを踏まえ、政権交代の原点に立ち返り、国民の信頼回復に邁進(まいしん)する。

 一、国民が未来に希望を持てる社会を創(つく)るため、経済・財政・社会保障の一体的建て直しに取り組む。

 一、閣僚は国民の代表である国会が選んだ菅内閣の一員として、省益にとらわれることなく、総合的な立場から一体となって内外の政策課題に取り組む。

 一、限られた人材・予算を有効に活用する観点から行政の無駄遣いの根絶を一層徹底するほか、情報公開を更に進め、「行政の透明化」を推進する。

 一、政務三役と官僚は、相互に緊密な情報共有、意思疎通を図り、一体となって真の政治主導による政策運営に取り組む。

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